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良いドレスを求めて三千里

2008/11/30(日) お気に入りの写真

2008_11
 前回話題にした孤高のCM写真家は、人物を撮らせたらなかなかのもんです。表面的な容姿だけではなく、その人物の内面を描写する鋭い視点を持っています。

 美術関係の仕事をしていたので、作家のポートレートをよく撮影していました。芸術家には、こだわりのあるタイプの人が多いですね。本人が気に入る写真を撮るのは、かなり難しい仕事だと思います。

 以前、懇意にしていたという古老の彫刻家がお亡くなりになり、この先生も告別式に参列しました。祭壇に飾られていたのは、自分が撮影した写真だったとか…
 彫像を作っているポーズのモノクロ写真です。

 写真を撮られるのが嫌いで有名な彫刻家でしたが、この1枚は気に入ったのか、焼増しして手元に置いていたそうです。家族もそれを知っていて、遺影写真に使ったんだと思います。

 プロの写真家には著作権がありますが、葬儀の席でそれを言うのは無粋です。
 自分の撮った写真が祭壇に飾られているのを見て感無量だった・・と言ってました。きっと天国から「あの写真、使わせてもらったよ」という声が聞こえてきたんでしょうね。

 この先生は日頃から、「人生で一番輝いているときの写真を残しておきたい」と言っています。年齢に関係なく、葬儀のときの遺影写真はそういう写真がふさわしい、とも・・・

 基本撮影料がワンコインだのゼロ円だのといった、巷で流行りの子供写真館などとはまったく違う、人物写真の世界があるんですね。

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