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良いドレスを求めて三千里

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2012/05/24(木) グレーのモーニングコート

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 モーニングコートといえば日本では黒ですが、本場のイギリスではグレーがよく使われています。なぜ日本では普及しないんでしょう?

 冠婚葬祭兼用で使い回すのには、黒のほうが都合がいいからかもしれません。いまと違って、明治・大正のころは洋服の礼装は高価でした。ベストを黒だけにして兼用したくらいです。結婚式のときに白襟をつけて区別する風習が残っていますが、これは日本だけです。

 明治以降、皇室が式典に洋服を採用したときに、宮内省の役人が「ダークカラー」を黒と誤訳したのが原因だという説もあります。いかにもありそうな話ですが、どうですかね。

《イギリスのサイトで検索したモーニングコート》

 イギリスのサイトで画像検索すると、チャールズ皇太子とカミラ夫人が並んでいる写真がありました。いちばん下の左から3つ目です。ほかにもグレーのモーニングを着たカップルがいます。

 こういう話をメーカーのひとにすると、「グレーのモーニングなんて利用されるわけがない」とニベもない言葉が返ってきます。型を崩したものを新作と称して値上げの材料にするより、イギリスで定番のグレーを導入して差別化する提案のほうが、よっぽどいいと思いますがねぇ。

 京都展で見かけたグレーのモーニングは、ズボンも共生地で作った新郎用でした。形は同じでも新郎用は割高です。親族用で提案するより、そちらで稼いだほうがメーカーとしてはいいのかもしれません。

2012/05/23(水) マスコミはドレスコードの勉強を!

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 昨年の英国王室のロイヤルウェディングでもそうでしたが、芸能人の結婚式などで、報道関係が使う衣装の用語がデタラメなのにビックリすることがあります。記者や校閲が、ドレスコードをわかってないからでしょうね。

 昨日紹介したベッカム選手のモーニングコートを「タキシード」というところもあれば、「燕尾服」というところもありました。「あれはモーニングコートではない」と皮肉をこめたのならわかりますが、コールパンツらしいものをはいているから、モーニングコートというのが正解でしょう。誰がどう見てもタキシードや燕尾服じゃないしね。

《正装の種類》

 ベッカム選手は、労働者階級には絶大な人気があるものの、中流階級以上には不人気だと言います。英国王室が、ウィリアム王子とケイト妃の結婚式に招待したことが、庶民的であることを演出する象徴のひとつだとの指摘もありました。

 王侯貴族だけでなく、広く一般からも招待したために、現地のレンタル衣装店は、大忙しだったみたいです。イギリスといえども一般庶民に近い人は、モーニングコートやアフタヌーンドレスは持っていないんでしょうね。

 ベッカムもバッキンガム宮殿近くの貸衣装店でレンタルすればよかったのに、大枚はたいてオーダーメイドなんかするから、「勲章の位置が…」とか、「誰も間違いを教えてやらないのは嫌われてるから…」なんて、余計なことを言われるハメになりました。

 本場イギリスでも、従来からの正装を「古臭い」と感じて敬遠する傾向があるそうです。古い習慣を破る原動力が一般市民の意思ならいいのですが、日本みたいにブライダル業者の欲だとしたら、ひとこと苦言を呈しないといけないでしょうね。

2012/05/21(月) 新作のモーニングコート

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 最近、モーニングコートを新調する衣裳店が増えているみたいで、展示会に新作モーニングを並べているのをよく見かけます。形が決まっている礼装のモーニングに、新作も何もないないように思いますが…

 あまり大きく変えてしまうと、正装でなくなってしまいます。従来のデザインを少し変えて、新作と称しているようです。どこかに違いがないと、レンタル料金を上げられないからでしょう。中にはドレスコードから外れているものも見受けられます。

 FUGAでは、結婚式のモーニングは国際基準のグレーベストを推奨しています。黒ベストに白襟を付けて代用するのは日本だけの風習で、物のない時代のなごりだと言われています。海外挙式では弔事用とみなされるので使えません。

《新作モーニング》

 写真左の新作はブランド品だそうですが、黒ベストです。しかも襟つきのデザインなのに白襟がセットされていないので、ブライダル用としては不相応な作り方です。襟つきベストにするなら、グレーにすべきでしょう。

 右の新作はグレーベストで結婚式にふさわしい組み合わせですが、ひとつ問題があります。コートの襟です。よく見るとダブル仕立の襟の内側に光沢のある素材を使っています。拝絹といって、燕尾服やタキシードの襟とズボンの側章に使う素材です。

 シャンデリアがまだローソクだった時代に、少しでも顔が明るく見えるよう、ダンスのときに足の位置が相手方に見えるようにとの工夫です。それが現代まで変わらずに引継がれています。夜の正装の象徴だから、日昼の正装に使うのはおかしいですね。
 「夜でもモーニング」の日本風だというなら、黒ベストでしょう。(ダサいけど)